毎日歩くフローリングの表面がガサガサしてきたり、靴下に引っかかったりして不快な思いをしていませんか。「乾燥しているだけだから、ワックスを塗れば直るだろう」と考える方は多いですが、実はその判断が大きな間違いであることは少なくありません。
長年、数寄屋や町家といった木造建築に携わり、多くの床を見てきた職人の立場から申し上げますと、フローリングの「ガサガサ」は乾燥ではなく「寿命のサイン」であることが大半です。
今回は、なぜ表面の劣化に対して安易な補修をおすすめしないのか、そして本当に損をしないための解決策である「リノベーション」の選択肢について、プロの視点で解説します。
■【診断】その「ガサガサ」の正体とは?乾燥ではなく「寿命」のサイン

・「汚れ」ではなく「剥離」が起きている可能性
フローリングがガサガサする原因は主に2つあります。1つは表面のコーティング膜が摩耗してなくなっている状態。もう1つは、合板フローリングの表面にある薄い木の板(単板)やプリントシートが剥がれかけている状態です。
日本の住宅で一般的な複合フローリング(合板)の寿命は、環境にもよりますがおよそ15年から20年と言われています。もし築年数がこの期間に近づいていて、床全体が白っぽくガサついているのであれば、それは素材自体が限界を迎えている証拠です。
これは人間で言えば肌の水分が足りない状態ではなく、皮膚そのものが傷んでしまっている状態に近いため、上から保湿(ワックス)をしても根本的な解決にはなりません。
・ささくれやひび割れは放置すると危険
特に注意が必要なのが、ガサガサが悪化して「ささくれ」立っている場合です。小さなお子様や高齢のご家族がいるご家庭では、トゲが刺さるなどの怪我につながるリスクがあります。
この段階になると、市販の補修材で埋めても一時しのぎにしかなりません。床材そのものの強度が落ちているため、別の箇所がすぐにまた割れてくるというイタチごっこになりがちです。
【目次】
- 【診断】その「ガサガサ」の正体とは?乾燥ではなく「寿命」のサイン
- 【警告】なぜ「部分補修」や「ワックス」をおすすめしないのか
- 【比較】「張り替え」と「上張り(重ね張り)」どっちがお得?
- 【素材選び】リノベーションで後悔しない「床材」の選び方
- 【自社紹介】横須賀・三浦エリアの木造リノベーションなら「亀谷工務店」
- 【まとめ】ガサガサ床はリフォームで「新築のような快適さ」へ
■【警告】なぜ「部分補修」や「ワックス」をおすすめしないのか

・ワックスや再塗装が裏目に出る理由
インターネットで検索すると「ガサガサ床はサンドペーパーで削ってニスを塗れば復活する」といったDIY情報を見かけることがあります。しかし、私はこの方法を強くおすすめしません。
最近の複合フローリングは表面の化粧板が非常に薄く、削ると下地の合板が出てきてしまい、余計に見栄えが悪くなることがほとんどだからです。また、劣化した表面にワックスを塗っても均一に定着せず、ムラになったり、すぐに黒ずんで剥がれてきたりして、かえって汚らしくなってしまうケースを数多く見てきました。
・テープやパテ埋めは「安物買いの銭失い」
ホームセンターで売っている補修テープやパテも同様です。これらはあくまで「小さなキズ」を目立たなくするためのものであり、広範囲の「面」の劣化を直すものではありません。
ガサガサした広範囲にテープを貼れば、そこだけ色が浮いてしまい、部屋全体の質感を損ないます。また、粘着部分にゴミが付着して衛生的にも良くありません。「とりあえず」で数千円を使って補修グッズを買い集めるくらいなら、その予算をしっかりとしたリフォーム工事の資金に充てるほうが、長期的には確実にプラスになります。
プロとして断言しますが、寿命を迎えた建材は「直す」のではなく「新しくする」のが、最も無駄のない選択です。
■【比較】「張り替え」と「上張り(重ね張り)」どっちがお得?

・コストと工期を抑えるなら「上張り(重ね張り)」
では、具体的にどうすればよいのでしょうか。ガサガサになった床をリニューアルする方法は大きく分けて2つあります。1つ目は、今あるフローリングの上から新しいフローリング材を重ねて張る「上張り(重ね張り)工法」です。
この工法の最大のメリットは、古い床を解体する手間と処分費がかからないため、コストを抑えられる点です。また、工事中にホコリが舞いにくく、工期も短縮できるため、住みながらのリフォームに適しています。
床が二重になることで強度や防音性が若干増すという副次的な効果もあります。現在の床が極端にきしんだり沈んだりしていなければ、この上張り工法が最もコストパフォーマンスの良い解決策と言えるでしょう。
・下地の腐食が疑われる場合は「張り替え」
2つ目は、古いフローリングをすべて剥がして新しく張り直す「張り替え工法」です。もし、ガサガサだけでなく「歩くと床がブカブカ沈む」「ギシギシと大きな音がする」といった症状がある場合は、床下の根太や下地材が腐食している可能性があります。
この場合は、上張りではなく張り替えを選択し、下地の補強からやり直す必要があります。費用と工期はかかりますが、床下の状態をリセットできるため、家の寿命を延ばすことにつながります。
どちらの工法が適しているかは、既存の床の状態や段差、建具との兼ね合いによって決まります。これを見極めるには、木造住宅の構造を熟知したプロによる診断が不可欠です。
■【素材選び】リノベーションで後悔しない「床材」の選び方

・「木の種類」で暮らしの質が変わる
リフォームを決断されたなら、次に重要になるのが床材選びです。ホームセンターやカタログだけで色や柄を見て決めてしまう方が多いですが、床は体の中で唯一、常に触れている場所です。だからこそ「質感」や「機能」にこだわることが、リフォーム後の満足度を大きく左右します。
一般的な「複合フローリング」は、傷に強く手入れが楽な製品が多く、デザインのバリエーションも豊富です。一方で、本物の木を使った「無垢材」は、調湿作用があり、足触りが温かいのが特徴です。冬場のヒヤッとした冷たさが苦手な方には、無垢材や、表面に厚みのある天然木を貼った挽板(ひきいた)フローリングをおすすめすることもあります。
・プロの視点は「見えない場所」にある
床材選びで失敗しないコツは、現在の家の状況に合った素材を選ぶことです。例えば、マンションであれば遮音規定(L-45など)をクリアした床材が必要ですし、戸建ての1階であれば湿気に強い樹種を選ぶ必要があります。
ただカタログを見て「これが安いから」と選ぶのではなく、「この木は反りやすいか」「経年変化でどう色が変わるか」といった木の特性を熟知しているプロに相談することが大切です。素材の知識がないまま見た目だけで選ぶと、施工後に隙間が空いたり、予想外の変色が起きたりして後悔することになりかねません。
■【自社紹介】横須賀・三浦エリアの木造リノベーションなら「亀谷工務店」

・京都仕込みの技術で「木」を活かすリノベーション
もし横須賀・三浦エリアでフローリングの張り替えやリノベーションをご検討なら、私たち株式会社亀谷工務店にお任せください。
私は大工として、京都で12年間にわたり数寄屋建築や町家建築の修行を積んでまいりました。木のクセを見抜き、適材適所で素材を扱う技術には自信があります。単に新しい床材を張るだけでなく、既存の柱や巾木(壁と床の境目の部材)との取り合いを美しく納める「細部の仕上げ」こそが、職人の腕の見せ所です。
ただの原状回復工事ではなく、お客様の住まいがより快適で、長く愛せる空間になるよう「木造リノベーション」の視点で最適なプランをご提案します。
・地域密着・自社施工だからできる適正価格
当社は大手ハウスメーカーとは異なり、営業マンを置かず、お問い合わせから施工管理まで職人が直接対応する「自社施工」の工務店です。
中間マージンをカットすることで、高品質な工事を適正価格でご提供しています。「大手に見積もりを取ったら予算オーバーだった」「小さな工事でも丁寧にやってくれるか心配」という方も、まずは一度ご相談ください。地元・横須賀に根差し、施工後のアフターフォローも迅速に対応いたします。
■【まとめ】ガサガサ床はリフォームで「新築のような快適さ」へ
・我慢する生活はもう終わりにしましょう
毎日目にする床が綺麗になると、部屋全体が明るくなり、気分までリフレッシュします。ガサガサした床にスリッパが引っかかるストレスや、ささくれで怪我をする不安を抱えながら生活するのは、精神的にも良くありません。
劣化したフローリングは、どんなに掃除をしても綺麗にはなりません。思い切ってプロの手を借りてリノベーションすることで、まるで新築のときのような清潔感と、素足で歩きたくなる心地よさを取り戻すことができます。
・まずは現地調査で「床の状態」を確認
亀谷工務店では、現地調査と見積もり作成を丁寧に行っております。
- 「うちは上張りでいけるのか、張り替えが必要なのか見てほしい」
- 「予算内でどんな床材が選べるか提案してほしい」
といったご相談も大歓迎です。
強引な売り込みは一切いたしません。プロとして、お客様の家の床下や下地の状態をしっかり診断した上で、最も無駄のない工事プランをご提示します。まずはお気軽にお問い合わせください。

